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海苔の話

海苔の話

海苔の写真

「海苔の日」

2月6日は「海苔の日」

海苔は大変古い食材で、「大宝律令」(西暦689年)の中で
海苔が諸国物産に指定され、租税として徴収されたという記録が
残っています。
毎年2月6日が「海苔の日」と昭和42年に定められましたが、
なぜこの日なのかというと、
この文献の記された日に基づいたからなのです。

「恵方巻」

毎年節分の日におこなう「恵方巻」という風習は
「福を巻きこむ」海苔巻きを、恵方に向かってお願いごとをしながら、
「縁を切らない」ようにまるまる一本を食べる風習です。
方角はその年の金運や幸せを司る歳徳神のいらっしゃる方をさし、
それは五行説の十干(じっかん)によって毎年変わります。
関西ではじまって、いつしか全国に広まりました。
七福神にちなんで海苔巻きの具材を七種類にすると、
さらに縁起がよいとされています。

海苔の別称

運草・お陽気草・お天気草・博打草・気違い草
これらはすべて、海苔の別称です。
江戸時代、海苔の生態は解明されておらず、
海で収穫できるのは一か八かの運任せだった という由縁で
こう呼ばれるようになったのです。


海苔の単位

海苔は、10枚が1単位です。
10枚を束ねた海苔は「1帖」という単位で表わします。
つまり「1帖=10枚」です。

海苔のサイズ

海苔1枚を「全型」または「全形」といい、タテ21cm×ヨコ19cmが基準となります。
昭和40年代に、このサイズに全国統一されました。
それぞれの使い方にあわせて、さまざまな形にカットされます。

海苔全型の写真
(全形)
縦21cm横19cm
使い方によって、お好きなサイズにカットしてください。


海苔二分の一の写真
(焼海苔半切タイプ)
巻き寿司や三角おむすびに最適なサイズです。


海苔三分の一の写真
(焼海苔3切タイプ)
全形の3分の1は俵巻きおむすびや、
おもち、せんべいなどを巻くのにぴったりなサイズです。


海苔四分の一の写真
(焼海苔4切タイプ)
全形の4分の1はラーメンによく使われますが、
おむすびや、おもち、せんべいなどにも使えるサイズです。


海苔八分の一の写真
(味付海苔・8切タイプ)
味付海苔などで使用されるサイズです。


きざみのりの写真
(もみのり・きざみのり) 細い
そばなどの麺類、丼物などのトッピング用に使います。


きざみのりの写真
(もみのり・きざみのり )中細
そばなどの麺類、丼物などのトッピング用に使います。


きざみのりの写真
(もみのり・きざみのり) 太い
そばなどの麺類、丼物などのトッピング用に使います。



海苔の旬

海苔は11月頃から摘み取りが始まります。
そして、その期間は3月中旬(一部の産地では4月中旬)まで続きます。
11月頃、各産地で一番最初に摘み採られた海苔を「新海苔」と呼びます。
その海苔は柔らかく、香りが高く風味豊かなのが特徴です。

海苔の保存方法

・海苔の大敵は湿気と高温です。

・すぐにお使いになる海苔は、乾燥剤を入れて日蔭の涼しい所に常温保存して、
なるべく早く使いきるようにしてください。

・乾燥剤は、袋がパンパンにふくれている時は効果がなくなっていますので、交換してください。

・いただきものなどの海苔がたくさんあってすぐに使わないような場合は、
密封のできるジッパーつきのアルミ袋などに入れて冷凍庫に保管してください。
乾燥剤は一緒に入れても大丈夫です。
品質を保ちながら長期保存ができます。

・是非気をつけていただきたいのは、冷凍庫から出してお使いになる時は
必ず常温に戻してから開封するようにしてください。

湿気った海苔の活用法

・もし海苔が湿気てしまったら、酒と醤油で煮てみてください。
美味しい佃煮になります。

・また、卵焼きの中に入れて焼いたり、ちぎってサラダに合えたりと、
野菜と同じような感覚で使ってくだされば、料理の味に幅がでます。

海苔の色

焼く前と後

海苔は焼く前と後で、色が変わります。

・焼く前の海苔は、黒っぽい紫や黒褐色をしています。
これは含まれている葉緑素(緑)、カロテノイド(橙)、 紅藻素(紅)、藍藻素(藍)
の4つの色素が混合した色です。

・焼いた後は、その色素のうちの紅藻素と藍藻素が減少します。
その結果、ほとんど変化しない葉緑素(緑)と藍藻素(藍)によって
黒色が薄くなります。
海苔の「焼き色」は、熱を加えることによって作られるのです。

ノリの色落ち

「色落ち」というのは、海でまだヒビについているノリの状態にいうときの表現で、
製品になった「海苔」の色とはまた別のことです。
色落ちしたノリは赤みがかった色に変色しています。

植物であるノリは、海中にとけ込んでいる「リン」や「窒素」などの栄養塩を吸収して生長します。
海のプランクトンも同じく植物で、増殖する時に栄養塩を消費しますから、
ノリと植物プランクトンは栄養塩を巡っての競合関係にあります。
また栄養塩は、降雨によって陸や河川などから海に供給されます。
そのため、ノリ養殖の時期に植物プランクトンが増えたり、
長期に雨が降らなかったり、水質改善の取り組みが進んだりすると、
養殖ノリにとって必要な栄養塩が不足して
それが色落ちの原因になるのです

海苔のうまみ

海苔のうまみは、昆布の「グルタミン酸」、鰹節の「イノシン酸」が主で、
そのほかに「アスパラギン酸 」「タウリン」「アラニン」などが含まれています。

焼くと成分が変わる海苔

海苔を焼くと、色素が変化しますが成分も変わります。

海苔に伝わった熱によって細胞を包んでいた膜質が変化し、
「グルタミン酸」「イノシン酸」などの旨味成分や香り成分の通りがよくなって、
海苔独自の旨みや香りが高まるのです。

青まぜと「とび天」について

のり種から養殖したのりを収穫する際に、網に絡んだ天然の青のりが混ざることがあります。
海苔として成型加工される工程で青のりが混ざった海苔も、「青まぜ」と呼ばれて出品されますが、総量は少なく希少品でもあります。
また、海苔は青のりが入っている量で「混」または「飛」と区分けされます。
その「飛」から字をとって、青まぜの入った海苔を金子海苔店では「とび天」と名付けました。
青のりは香りが高くほろ苦い味がします。少しでも入っていると海苔全体の風味が格段に違ってきますので、好んで青のり入りの海苔を求めるファンがいらっしゃいます。
「焼のり丸缶とび天」は、一段上の大人の味を楽しみたい方におすすめです。

海苔太巻き

海苔と健康

海苔には、ビタミンをはじめたくさんの栄養素が含まれています。
一つの食品でこれだけの多種類の栄養素を持っている食品はほかに例がありません。
海苔の主な栄養素は下記のとおりです。

(ビタミンB) 「疲労回復」に効果があるビタミンB1と、「成長を促す」ビタミンB2の宝庫です。
(ビタミンC) 風邪予防や肌荒れに効果的なビタミンCもたっぷり含まれています。
(β-カロチン) 発ガン性物質を撃退してくれるといわれています。
(EPA)
(タウリン)
コレステロールの低下に有効だといわれています。
(カルシウム) カルシウムの量も多く、海苔100g当たりのカルシウムは260mg〜500mgです。
毎日食べていると、骨粗鬆症の予防になります。
(鉄分) 鉄分の量も豊富ですので、貧血防止になります。
(ミネラル) 海水にはヨウ素をはじめとする約45種類の元素が含まれています。
海藻類は、陸上の食物よりもミネラルの吸収率が高いのです。
(食物繊維) 海苔の約3分の1は食物繊維です。
便秘解消の働きをはじめ、腸内にたまった食品添加物や発ガン性物質などを体外へ排出する働きがあります。